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コンサルタント小濱道博先生の「経営をサポートするナレッジコラム」

第6回 【後編】令和3年度介護報酬改正の検証(在宅サービス)

2022/02/22 カテゴリ: 介護保険法改正

前編こちら: 第6回 【前編】令和3年度介護報酬改正の検証(在宅サービス)

居宅介護支援

特定事業所加算

居宅介護支援では、特定事業所加算が大きく変わった。従来の区分Ⅳは単独の加算に移行となり、新たな区分Aが創設された。それは、従来の区分Ⅲの算定要件である常勤ケアマネジャー二名体制のうち、一名を非常勤の常勤換算で1以上の配置を可能とする算定要件となっている。すべての区分に、必要時応じてケアプランに、インフォーマルサービス(保険外サービス)などを位置づけることが加えられた。

逓減制とICTの活用

居宅介護支援の逓減制では、基本報酬区分Ⅰ算定基準のケアプラン40件未満のボーダラインが45件未満に引き上げられた。ただし、一定の要件を満たした場合のみの措置となる。一定の要件とは、ICTの活用、もしくは事務員などを雇用していることである。ICTの活用は、Chat機能を備えたアプリをスマホに入れて情報共有、タブレットの活用が要件となる。

通院時情報連携加算と委託連携加算

通院している利用者の件でケアマネジャーが病院と相談し、主治医から受けた助言などをケアプランに位置づけた場合の通院時情報連携加算の創設、退院後に介護サービスを利用することを前提に担当予定のケアマネジャーがその準備を進めていたが、看取りの診断を医師から受け、退院することなく死亡した場合などの一定の要件を満たすことで基本報酬を算定出来るなど措置が導入された。地域包括支援センターが予防ケアプランを地域の居宅介護支援に外部委託を進めて連携を取ることを評価する委託連携加算が新設されている。

運営基準減算

居宅介護支援事業所では、前6ヶ月の間に作成されたケアプランに占める、訪問介護、通所介護、地域密着型通所介護、福祉用具貸与を位置づけたサービス毎の割合。サービス毎に位置づけた担当事業所の割合。を、利用者に書面の交付、口頭説明、署名を得ることが義務化された。未実施の場合は、運営基準減算の対象となる。居宅介護支援の運営基準減算は、初月が50%、それ以降は100%減算である。また、この減算を受けると、特定事業所加算の算定要件を満たさないため巨額の返還となる。

区分支給限度基準額の検証の強化

令和3年10月より居宅介護支援居宅介護支援について、区分支給限度基準額の7割以上を使い、かつ、サービス全体に占める訪問の割合が6割を超えた場合、そのケアプランを役所に提出を義務づけて、地域ケア会議などで検証する。これは平均が7割を超えた場合である。要件に合致した場合、令和3年 10 月1日以降に作成又は変更したケアプランのうち、市町村から指定されたものを市町村に届け出る。その後、地域ケア会議等で、多職種の視点から、届出のあったケアプランについて議論される。

同じく10月から、同一のサービス付き高齢者向け住宅等に居住する利用者のケアプランについても、区分支給限度基準額の利用割合が高い利用者が多い場合に、併設事業所の特定を行いつつ、居宅介護支援事業者を事業所単位で、ケアプランを役所に提出を義務づけて、地域ケア会議などでのケアプラン点検の対象として抽出される。抽出する要件は、区分支給限度基準額の利用割合、利用サービス種類とその利用割合、区分支給限度基準額管理対象サービスであるが、その割合やサービスの組み合わせは市町村が設定するとした。

通所サービス共通

入浴介助加算が激変

入浴介助加算では、上位区分が出来たことで10単位マイナスの40単位となった。従来の50単位の加算を算定する事業所は、実質マイナスとなる場合がある。

入浴介助加算で上位区分Ⅱは、リハビリテーション型の入浴介助加算である。その目的は自宅において自分で入浴が出来ることを続けることであり、セラピストや介護福祉士が利用者の居宅を訪問して浴室のアセスメントを実施して、個別入浴計画を作成して、個別入浴によるリハビリテーションを提供することで55単位を算定する。従来から、入浴介助加算は利用者に入浴頂く事で算定出来た。入浴を実施する担当職員には、資格も経験も求められない実施加算である。

この概念が180度変わった。すなわち、自宅において利用者自身が入浴を続けるために、そのリハビリテーションの一環として入浴介助を行うという考え方である。介護職は見守り的援助を中心に行う。担当する職員は、研修や実習、療法士との連携でスキルアップを図ることが算定要件に追加となった。

通所介護等の事業所規模別の報酬等に関する対応

通所サービスの報酬では、感染症や災害の影響により利用者数が減少した場合に状況に即した安定的なサービス提供を可能とするために、現下の利用者数に応じて柔軟に事業所規模別の各区分の報酬単価による算定を可能とするとともに、臨時的な利用者数の減少に対応するための加算が設定された。

リハビリテーション・機能訓練、口腔、栄養の取組の連携・強化

リハビリテーション・機能訓練、口腔、栄養の取組の連携・強化では、加算等の算定要件とされている計画作成や会議について、リハ専門職、管理栄養士、歯科衛生士が必要に応じて参加することが明確化された。

栄養改善の強化

通所系サービス等では、栄養スクーリング加算を見直し、介護職員等による口腔スクリーニングの実施を新たに評価する口腔・栄養スクーリング加算とした。管理栄養士と介護職員等の連携による栄養アセスメントの取組を、新たに評価する栄養アセスメント加算を新設した。栄養改善加算は、管理栄養士が居宅を訪問することを要件として、50単位増額された。

区分支給限度基準額の計算の見直し

区分支給限度額の計算も変更される。有料老人ホームなどに併設されるなどして、同一建物減算の対象となっている場合、従来は同一建物減算を適用した後の報酬単位で限度額の計算を行っていたものが、減算を適用する前の報酬単位で限度額計算を行うように変更される。また、大規模型ⅠまたはⅡを算定する通所サービスは、限度額の計算においては、通常規模の介護報酬単位に置き換えて計算することに変更される。同一建物減算の対象で、区分支給限度額の消化率が高い利用者の場合、最大で同一建物減算10%相当分が限度超過となって、サービス量を減らすことを余儀なくされる。大規模事業所の利用者も同様だ。

通所介護

生活機能向上連携加算

外部のリハ専門職等との連携による生活機能向上連携加算では、訪問介護等と同様に、ICTの活用等により外部のリハ専門職等が事業所を訪問せずに利用者の状態を把握・助言する場合の評価区分を新たに設けられた。

個別機能訓練加算

個別機能訓練加算が事実上、従来の区分Ⅰが廃止されて区分Ⅱに統合された。そのため、集団体操などでは加算が算定出来ず、機能訓練指導員が直接、個別訓練若しくは5人以下の小集団で機能訓練を実施することが求められる。リハビリテーション型デイサービスなどでは、区分ⅠとⅡを併算定する場合もあることを踏まえて、機能訓練指導員を2名配置することで、85単位が算定出来る。しかし、従来の併算定では102単位を算定出来たことから、17単位の減収となった。

ADL維持等加算

ADL維持等加算は報酬単位が10倍の30単位および60単位/月となり、算定要件も緩和されている。ただし、LIFEへのデータ提出と活用が必須の算定要件となったため、データ提供が無い場合は、加算が算定出来なくなった、これまで算定が不可であった5時間未満の提供時間で通所介護を提供する事業所も算定が可能となった。

通所リハビリテーション

生活行為向上リハビリテーション実施加算

生活行為向上リハビリテーション実施加算の最大の問題で6ヶ月後のデイサービスへの移行要件が削除され、6ヶ月を通じて同じ報酬単位に平坦化されている。この加算は、一気に通所リハビリテーションで算定すべき加算となったと言える。また、社会参加支援加算は移行支援加算と名称が変更され、算定要件も緩和された。

リハビリテーションマネジメント加算

リハビリテーションマネジメント加算が再編成され、従来の区分Ⅰが基本報酬の包括化された。また、LIFEの活用要件が新たなロ区分の要件として盛り込まれた。

長期の予防サービス利用の減算

予防訪問リハビリテーションおよび予防通所リハビリテーションでは、1年以上の長期利用者へのサービス提供で、1日5単位の減算が新たに設けられた。

 

以上が令和3年度介護報酬改正の在宅サービスの検証となります。

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