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コンサルタント小濱道博先生の「経営をサポートするナレッジコラム」

介護業界動向 2022年度に向けての注目ポイント~後編~

2022/04/15 カテゴリ: BCP LIFE 介護保険法改正 実地指導

前編こちら: 介護業界動向 2022年度に向けての注目ポイント~前編~

実地指導から運営指導へ大きく変貌、すすむICT化

また、実地指導の見直しも実施される。

実地指導の名称を、「運営指導」として、①介護サービスの実施状況指導 ②最低基準等運営体制指導 ③報酬請求指導を中核とする。

原則、指定等の有効期間(6年)内に少なくとも1回以上実施し、施設サービス・居住系サービスについては、3年に1回以上の頻度となる。また、オンライン会議システム等を活用することが可能である旨を明記して、ZOOMなどを活用した指導も行うこととなる。これは、事業所側の電子データ化にも影響する。ZOOMなどを活用した運営指導の場合、計画、記録等の電子データ化が必須だからだ。

今後は、介護記録ソフトなどのICT化の促進も急務となってくる。また、令和4年度からは、行政書類のウェブ入力・電子申請も拡大し、ケアプランのデータ連携システムの構築も進む。もはや、介護業界のICT化は避けては通れない。

出典:第9回社会保障審議会介護保険部会介護分野の文書に係る負担軽減に関する専門委員会 資料

BCPの経過措置は残り二年を切った

業務継続計画(BCP)は、令和3年度にすべての介護サービスと障害福祉サービスに義務化され、令和4年度診療報酬に於いて、医療の訪問看護に義務化された。いずれも経過措置はあと2年である。

独立行政法人福祉医療機構の調査によると、8割の介護施設、事業者が令和4年度中にBCPの作成を終了予定であるとの回答を行っている。看護小規模多機能型居宅介護はすべての事業所で2022年度中までに完了予定であり、小規模多機能型居宅介護は81.7%、グループホームは77%、特養77.3%、老健72.3%が令和4年度中に完成としている。その作成に於いて参考としたのは、大部分が厚生労働省のガイドラインである。

これとは別の調査で、BCPの作成での課題は、「作成に必要なノウハウが無い」「作成する人材を確保出来ない」が多くを占め、必要な支援として、「BCP作成をサポートするアドバイザー等」が60%を超えた。BCPについては、その作成期間が6ヶ月から1年を要するのが一般的だ。独自の作成を試みての挫折を経験された介護施設、事業所も多い。そのような中で、オミクロンの感染拡大によるクラスターが全国で最大となり、保育園の休園などで休む職員が多発。勤務シフトに苦慮する介護施設、事業所が業界における問題となっている。経過措置云々は感染症や自然災害には関係無いことを認識して、早期の取組が求められている。

出典:令和3年度介護報酬改定に関するアンケート結果 
令和3年11月17日 独立行政法人福祉医療機構 経営サポートセンター リサーチグループ

始まる令和6年度介護保険法改正審議

そうした中で、財務省の財制度審議会から令和6年度制度改正における建議が出されている。

介護保険制度面での主な論点は、利用者の自己負担2割への段階的な引き上げ(年収200万以上)。居宅介護支援の自己負担1割化。福祉用具のみのケアプランの報酬の引き下げ。介護老人保健施設、介護医療院の多床室料の全額自己負担化。区分支給限度額の特例措置の見直し。訪問介護、通所介護の軽度者を市町村事業に移行。一般法人を含めた決算書の公表の義務化などである。

また、コロナ禍での国の財政赤字を反映した厳しい介護報酬改定も覚悟しなければならない。令和4年度は介護保険法の改正審議、令和5年度は介護報酬の改定審議が行われる。過去最大級の激変も見込まれているので、早期に情報を収集し、事前対策を取ることが必要である。

また、BCPなどの令和3年改正での宿題も仕上げなければならない。いずれにしても、医療、介護共に自己負担2割の対象者が年収200万円以上に拡大する可能性が高い。利用者にとって、使いたいサービス、必要なサービスであることが求められる。また、福祉用具の在り方の見直し、介護施設の人員基準の緩和など、大きな改正テーマが目白押しである。令和6年度の改正案は12月までに取り纏めとなり、来年の通常国会に改正介護保険法案が提出。来年6月までに成立の見込だ。

 

以上が介護業界動向 2022年度に向けての注目ポイントとなります。

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