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コンサルタント小濱道博先生の「経営をサポートするナレッジコラム」

第13回【前編】運営指導における記録の重要性とポイント

2022/09/07 カテゴリ: 実地指導

介護行政は記録主義である

サービス提供記録、支援経過記録、ケアカンファレンス記録、機能訓練記録、お泊まりサービスにおける夜勤業務記録など、介護サービスの運営においては、いろいろな「記録」を作成する必要がある。介護サービスの基本は「計画」によって実施されて、「記録」によって確認・報告されるシステムになっている。たとえば、会社において出張経費を精算するときには、必ず領収書という証憑書類を提出しないと経理部門は旅費費用を払ってくれない。同様に、介護サービスにおいては「記録」がないと、サービス提供の事実が確認できないとして認められないのだ。

介護保険制度は記録主義で、記録があって初めて認められる世界である。運営指導で何か問題が起こった時に、守ってくれるのは記録だけである。記録は日頃から漏れなく記載する癖を付ける必要がある。記録は簡潔に、5W1Hを基本で記載する。すなわち、Who(だれが)When(いつ)、Where(どこで)、What(なにを)、Why(なぜ)、How(どのように)を念頭に文章をまとめる。運営指導での記録関連で指摘事項の多くが、表現が曖昧である、具体的で無い、という文章表現の問題である。誤字脱字の多い場合も指摘されます。ただ長いだけの文章も不可である。

基本的な記録の付け方について

今の時代は、記録は手書きよりも、介護記録ソフトを活用して、パソコンやタブレットに直接に入力することが多くなっている。介護報酬請求や各種記録帳票までを一気通貫で処理するシステムが増えてきた。その入力方法も簡素化されていて、基本的な文章がシステムで複数用意され、ただ選ぶだけという場合も多い。しかし、記録はただ有れば良いというものではない。特に、個人観察や異常動作などについては、個別の問題として自分の文章で記載する必要がある。そのためにも、基本的な記録の書き方、付け方を学ぶ必要がある。また、減ってきているとは言え、手書きでの記録もまだまだ主流である。まずは基本的な記録の仕方を解説して行く。

記録の最低限の記載項目

記録はWho(だれが)When(いつ)、Where(どこで)、What(なにを)、Why(なぜ)、How(どのように)が基本だと述べた。すなわち、担当者名、日時、場所、結果や成果、原因、その方法やプロセス、をできる限り詳細に記載する。これをできる限り簡潔な文章にまとめる。この点は、繰り返し多くの記録を書き込むことで自然にスキルがアップする。ただし、ある程度のレベルに達するまでは上司などがチェックする必要がある。

記録の改ざんを疑われないようにする

記録は何かあった時に守ってくれる、唯一の証拠である。同時に、それを悪用する場合は改ざんされる懸念もある。そのため、改ざんされたものでは無いという態勢を整えておく必要がある。記録は、鉛筆など、あとから消しゴムで消したり、書き直しが出来るものは不可だ。ボールペンなどを使うようにする。修正液も不可だ。もし書き間違いがあった場合は、見え消しでラインを引いて、その上に書き直す。厳密には訂正印を押すのが本来の処理方法である。訂正印とは、直径2−3㎜程度の訂正専用の印鑑のことだ。通常の大きさの印鑑を押すことは、周りの文章が読みにくくなりますので控えなければならない。文字と文字の間が目立って空間を取っていたり、後から書き足せるようにスペースを空けておく等も厳禁である。同じ筆跡でも、付け足しの場合は見ただけで不自然なバランスになる。そのような行為が分かると、事業所全体が信頼を無くして、運営指導が厳しく見られることになる。

パソコン入力の場合、入力日や訂正した日の日付がパソコン上に残る。運営指導などで書類の改ざんが疑われた場合は、パソコン上での日付が確認されますので注意しなければならない。監査になるとパソコンが押収されたりもする。やむを得ず後日、パソコンの文章の手直しを行う場合は、その理由や変更箇所を分かるように別に記録を付けておくといった対応を怠ってはならない。それらの手間がすべて記録の信憑性に繋がる。信頼のおけない記録には意味がないのだ。近年は、介護記録ソフトで記録をする方法が主流となってきた。その場合であっても、文章表現には注意が必要だ。

 

後編こちら:第13回【後編】運営指導における記録の重要性とポイント

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